BitMEXは2026年9月23日に閉鎖する。資産をどう動かすかを、宣伝抜きで整理した

11年間パーペチュアルスワップの基準をつくってきた取引所が、自ら店を閉じます。やることは1つだけです。期限内に資産を自分の管理下へ移すこと。このページは公式発表を一次情報として、期限・費用・手順・移行先の見極め方を独立した立場でまとめたものです。取引の勧誘はしません。

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最初に確認すること
  • 新規建玉の停止は2026年8月26日 04:00 UTC(日本時間13:00)
  • 全サービス終了は2026年9月23日 04:00 UTC(日本時間13:00)
  • 新規口座開設は2026年7月23日に恒久的に終了済み
  • 残高を放置すると月額USD50相当または年率1%のいずれか大きい方が課される

何が起きたのか — 事実関係だけを先に

2026年7月23日、BitMEXを運営するHDR Global Trading Limitedは、事業の戦略見直しの結果として取引所を閉鎖すると発表しました。買収や事業譲渡による継続ではなく、清算に向けた段階的な店じまいです。同社は同日付で新規口座開設を停止しており、これは一時的な措置ではなく再開の予定がないものとして案内されています。

ここで大事なのは、これが「メンテナンス」や「一部サービスの縮小」ではないという点です。パーペチュアルスワップという商品そのものを2016年に世に出した取引所が、11年の運用を終えて撤退します。したがって、口座に資産を置いたまま様子を見る、という選択肢は事実上存在しません。

09-23 全サービス終了
2026年 04:00 UTC
08-26 新規建玉の停止
2026年 04:00 UTC
11年 2014年の開設から
閉鎖までの運用期間
USD50 未出金残高に対する
月額の下限手数料
BitMEX閉鎖までの3つの節目を示したタイムライン図。2026年7月23日に新規登録停止、8月26日に新規建玉停止、9月23日に全サービス終了。
閉鎖までの節目。8月26日から9月23日までの28日間は「決済と出金しかできない期間」です。出典:BitMEX公式発表。
  • 新規口座開設の恒久的な停止 閉鎖の発表と同時に実施済み。この時点以降、BitMEXに新しく口座をつくることはできません。
  • リスクリミット適用・決済のみに移行 新規建玉が不可になり、既存ポジションの縮小のみ可能に。同時にBitMEX側による強制決済も始まります。日本時間では8月26日13:00。
  • 全サービス終了(Closure Time) 取引機能は停止。残っている建玉は即時強制決済されます。ログインは残高確認と出金のためだけに維持され、ステーキング中のBMEXトークンは自動的に解除されます。
  • 口座維持手数料の発生 KYC済みの利用者で残高が残っている場合、月次で「USD50相当」または「年率1%」のいずれか大きい方が差し引かれます。将来的な引き上げも予告されています。

閉鎖後もログインと出金は可能、という案内を「急がなくてよい」と読むのは誤りです。出金が可能であることと、出金にコストがかからないことは別の話です。残高を置いたままにすれば月単位で削られていきます。

本サイトの評価 — 手数料の条件はBitMEX公式発表に基づく

今すぐやるべきこと — 順番を間違えないための5手順

慌てて出金ボタンを押す前に、順番を決めてください。事故が起きるのはたいてい「建玉を残したまま出金しようとした」「送金ネットワークを取り違えた」の2つです。以下は最短で安全に終わらせる順序です。

  1. 残高と建玉の全体像を紙に書き出す ウォレット残高、証拠金として拘束されている分、未実現損益、ステーキング中のBMEX。サブアカウントを使っている場合は必ず全部を洗い出します。画面を見ながらではなく、いったん書き出したほうが漏れません。
  2. 建玉を自分の判断で決済する 8月26日以降は縮小しかできず、最終的には強制決済されます。強制決済の価格は選べません。自分で閉じるほうが、ほぼ確実に条件は良くなります。板が薄くなる期間ほどスリッページは大きくなるので、先延ばしする理由はありません。
  3. 受け取り先を用意して、アドレスとネットワークを確定する 自己管理ウォレットに移すのか、別の取引所に移すのかを先に決めます。ここで送金元と受取先の対応ネットワークが一致していることを必ず確認してください。USDTをERC-20で送るのか TRC-20で送るのかを間違えると、その資金は基本的に戻りません。
  4. 少額でテスト送金する 最低出金額を満たす程度の少額を1回だけ送って、着金を確認します。手数料が二重にかかりますが、全額を一度に飛ばすリスクと比べれば無視できるコストです。着金までの時間もこれで実測できます。
  5. 残額を出金し、TXIDで着金を確認する テスト送金と同じアドレス・同じネットワークで残りを送ります。出金申請の後にメール確認のステップがあるので、受信箱を確認してください。最後にブロックチェーンエクスプローラでTXIDを追い、着金を自分の目で確かめます。
最も高価な間違い

送金元と受取先のネットワークは必ず一致させてください。USDTのERC-20アドレスにTRC-20で送金した資金、あるいはその逆は、取引所のサポートでも復旧できないことがほとんどです。アドレスの見た目が正しくても、ネットワークが違えば別の宛先です。出金画面のネットワーク選択欄と、受取側の入金画面の表記を、文字単位で見比べてください。

出金の手順を5段階で示した図。ネットワークの一致確認、アドレス入力、少額テスト送金、メール確認、TXIDによる着金確認。
出金の順序。3番目のテスト送金を省略した人だけが、あとで困ります。

放置するとどれだけ削られるか — 口座維持手数料の実際

公式発表では、閉鎖後もKYC済みの口座に残高がある場合、「USD50相当」または「年率1%」のいずれか大きい方が月次で請求されるとされています。ここで見落としやすいのは、下限が定額であることの意味です。残高が小さい口座ほど、率ではなく定額のほうが効いてきます。

残高別に見た負担の目安(下限USD50が適用される場合の試算)
残高年率1%だと実際に効く基準年間の目減り(概算)
USD 300USD 3定額USD50数か月で残高が消える
USD 2,000USD 20定額USD50USD 600 / 残高の30%
USD 10,000USD 100定額USD50USD 600 / 残高の6%
USD 60,000USD 600ほぼ分岐点USD 600 / 残高の1%
USD 200,000USD 2,000年率1%USD 2,000 / 残高の1%

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上の表は「月額の下限が定額で効く」という前提での概算です。実際の課金の刻み方や、率と定額をどう比較して適用するかといった細部は公式の案内が優先されます。ただしどの解釈をとっても結論は変わりません。少額の残高を置き忘れるのが最も割に合わない選択です。数百ドル規模の残高は、放置すれば手数料だけで消えます。

見落としがちな残高
  • サブアカウントに残った証拠金
  • ステーキング解除後のBMEXトークン(閉鎖時に自動で解除されます)
  • アフィリエイト報酬として計上されていた未出金分
  • ごく少額の端数 — 最低出金額を下回ると出金できず、手数料だけが積み上がります

端数については先に手を打ってください。最低出金額を下回る残高は出金申請そのものが通りません。まだ取引ができる期間のうちに、他の通貨にまとめて出金可能な単位にしておくのが唯一の現実的な対処です。8月26日を過ぎると建玉の新規作成ができなくなるため、この整理には期限があります。

そもそも取引所に預けていたものは何だったのか

今回の件で一度だけ立ち止まって考える価値があるのが、カストディアルと非カストディアルの違いです。用語は難しく聞こえますが、中身は単純です。

取引所の口座は銀行の口座に近いものです。資産の記録は取引所の帳簿にあり、実際に鍵を握っているのは取引所です。だからパスワードを忘れてもサポートが再発行してくれますし、二段階認証で守ってもらえます。その代わり、取引所自体が止まったときには、あなたの側でできることは何もありません。今回まさにそれが起きています。

非カストディアルウォレットは自宅の金庫です。鍵はあなたが持っています。誰の許可もいらず、誰にも凍結されません。ただしシードフレーズを失えば、それを取り戻す窓口はこの世に存在しません。パスワードリセットのボタンがないという意味を、口座を持つ前に理解しておく必要があります。

カストディアルな取引所口座と自己管理ウォレットの比較図。取引所では鍵をプラットフォームが持ち、自己管理では利用者本人が持つ。
鍵を誰が持つかで、リスクの種類が入れ替わります。どちらが安全かではなく、どちらの失敗を自分が引き受けられるかで選びます。

実務的な結論はこうなります。取引のために置いておく資金は取引所、保有し続ける資金は自己管理。今回のように取引所が消える局面では、この線引きをしていた人ほど動揺が小さくて済んでいます。すべてを自己管理に移すのが常に正しいわけではありません。自分でシードフレーズを守る自信がないなら、破綻リスクを分散させるほうが現実的です。

シードフレーズの扱い
  • 12語または24語は紙か金属板に手書き。スクリーンショットとクラウドメモは対象外です
  • 入力を求めてくるサイト・アプリ・サポート担当は、例外なく詐欺です
  • 保管場所は物理的に2か所。火災と水害を同時に受けない距離に置きます
  • まとまった額を長期保有するなら、ハードウェアウォレットの購入費用は保険料として安い部類です

移行先をどう見極めるか — 宣伝文句ではなく検証項目で

取引所の比較記事は、たいてい手数料の安さとボーナスの大きさで並びます。今回のような事態を経験したあとで見るべきなのは、そこではありません。「この会社が止まったとき、自分の資産はどうなるか」という視点で確認項目を組み直してください。

口座を開く前に自分で確認する項目
確認項目なぜ重要か確認方法
規制上の所在地とライセンスどの国の法律で守られるのか、破綻時に誰に申し立てるのかが決まります運営法人名と登録国を公式サイトのフッターと利用規約で確認
出金の実績と所要時間平常時の速さより、混雑時に止まらないかが本質です利用者の報告を複数のコミュニティで横断的に読む
対応ネットワークの一覧送りたいチェーンに対応していなければ、そもそも移せません入金ページで実際のネットワーク選択肢を見る
出金手数料と最低出金額端数が出金できず取り残される事故を防ぎます出金画面に表示される実額を、少額テストで確認
KYCの要求水準あとから追加書類を求められて出金が止まるのが最悪のパターンです口座開設前に必要書類の一覧を読む
資産の保管方針コールドストレージ比率や保険基金は、破綻時の緩衝材です公式の開示ページと第三者の監査報告を確認
日本語または母語でのサポートトラブル時に言語の壁があると復旧が遅れます問い合わせを1件送って返信速度を測る

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この表のうち、実際に事故の分かれ目になるのは「対応ネットワーク」「最低出金額」「KYCの要求水準」の3つです。手数料の0.01%の差は長期的には効きますが、資金が動かせないという事態と比べれば些細です。口座を開いたら、まず少額を入れて出金できるところまで一往復させてください。出金できることを確認する前に、まとまった額を入れる理由はありません。

BitMEXが残したもの、そして残した傷 — 評価を公平に

閉鎖のニュースだけを見ると単なる撤退に見えますが、この取引所が業界に与えた影響は大きく、そして両面あります。移行先を判断する材料として、良い面も悪い面も押さえておく価値があります。

技術的な功績

2014年に開設され、2016年にパーペチュアルスワップを商品化しました。満期のない先物という設計は、いま主要な取引所のほとんどが採用している構造です。資金調達率(ファンディングレート)で現物価格に価格を寄せる仕組みも、ここで実用化されました。XBTUSDという銘柄名は、一時期この市場のベンチマークそのものでした。

規制との衝突と、その後

一方で2020年から2021年にかけて、米国当局から未登録での取引所運営とマネーロンダリング対策の不備を問われ、多額の民事制裁金を含む和解に至っています。創業者らも個別に司法手続きの対象となりました。この件を境に、それまで実質的に不要だった本人確認が全ユーザーに義務化されました。匿名で高レバレッジを取れる場所という当初の性格は、ここで終わっています。

この経緯は、いま移行先を選ぶ人にとって示唆的です。規制対応を後回しにした取引所は、あとで一気にコストを払います。そのコストは利用者にも、突然のKYC要求や機能停止という形で回ってきます。開設前にライセンスの所在を確認するのは、面倒な手続きではなく自衛です。

公式が掲げていた数字

公式サイトでは、閉鎖発表の時点で累計210万人以上の利用者、4ミリ秒未満の約定レイテンシ、資産の95%以上をコールドストレージで保管、2億5000万米ドル規模の保険基金、パーペチュアルで最大250倍のレバレッジ、現物17ペア以上、といった数字が掲げられていました。これらはすべてBitMEX自身の公表値であり、当サイトが独立に検証したものではありません。引用の意図は、閉鎖が経営判断であって技術的な破綻や資産流出によるものだと確認されているわけではない、という点を示すためです。

「11年間で資産流出ゼロ」という自己申告は、実績として軽くはありません。ただし今回学ぶべきなのは、ハッキングされなくても取引所は消えるということです。セキュリティが万全であることと、事業が続くことは別問題です。

本サイトの評価

閉鎖に便乗する詐欺 — いま最も現実的な損失原因

取引所の閉鎖局面では、必ず偽サイトと偽サポートが増えます。理由は単純で、利用者が「急いで出金しなければ」という心理状態にあり、普段なら気づく違和感を飛ばしてしまうからです。実際の損失は、強制決済よりもこちらで発生します。

  • ドメインの見た目が近いログインページ。ハイフンの位置、TLDの違い、文字の置き換え。ブックマークからのみアクセスし、検索結果の広告枠は使わないでください。
  • 「閉鎖にともなう資産移行の手続き」を名乗るメール。公式が新しいウォレットへの送金を個別に指示することはありません。
  • シードフレーズやプライベートキーの入力要求。これを求めるものは、名乗りが何であれ100%詐欺です。正規の取引所は求める理由がありません。
  • SNSやチャットで先に声をかけてくるサポート担当。本物のサポートは公式の窓口からしか始まりません。
  • 「残高を救済する」と称する第三者サービス。出金は自分の口座から自分でやるものです。代行の余地はありません。
このサイトについても同じ基準を

いま読んでいるこのサイト(bit-mex.asia)はBitMEXの公式サイトではありません。運営元のHDR Global Trading Limitedとは無関係の第三者による情報サイトです。当サイトはログイン画面を持たず、口座も開設せず、資産を預かることもしません。ログインと出金は必ずBitMEXの公式ドメインで行ってください。当サイトが公式を騙る記述を見つけた場合は、その記述が誤りです。

確認の手順を1つだけ決めておくと事故が激減します。出金操作は必ず、自分のブラウザのブックマークから開いた公式サイトでのみ行う。メールのリンク、SNSのリンク、検索結果の広告からは絶対に入らない。これだけで、この局面で最も多い損失パターンは避けられます。

よくある質問

BitMEXはいつ閉鎖しますか
2026年9月23日 04:00 UTC(日本時間13:00)に全サービスが終了します。その前に2026年8月26日 04:00 UTCから新規建玉ができなくなり、決済のみになります。新規口座開設は2026年7月23日に終了済みです。
閉鎖後も出金できますか
公式発表では、閉鎖後もログインして残高と取引履歴を確認し、出金することは可能とされています。ただし残高を残したままにすると月次で口座維持手数料(USD50相当または年率1%のいずれか大きい方)が発生します。閉鎖前に出金を終えるのが合理的です。
建玉を決済しないと何が起きますか
2026年8月26日以降、BitMEX側が秩序ある清算のために既存ポジションの強制決済を始めます。閉鎖時点で残っている建玉は即時に強制決済されます。決済価格は選べないため、自分で閉じたほうが条件は良くなります。
ステーキングしていたBMEXトークンはどうなりますか
公式発表によると、閉鎖時点で全てのステーキング中のBMEXトークンは自動的にアンステークされ、保有者の口座で利用可能になります。そのうえで出金の対象になるため、他の残高と同様に移す必要があります。
出金にはどのくらい時間がかかりますか
平常時のビットコイン出金はメール確認後15分程度で完了すると案内されてきました。ただし公式は閉鎖にともなう出金需要の増加と追加審査の導入により遅延が起こりうるとしています。期限直前に集中させないほうが安全です。
出金手数料はいくらですか
ビットコインについてはプラットフォーム側の出金手数料はかからず、マイナーに支払うネットワーク手数料のみとされています。USDTなど他の資産はネットワークごとに定額の手数料が設定されています。実額は出金画面に表示されるので、送信前にそこで確認してください。
新しく口座を開いて取引することはできますか
できません。新規口座開設は2026年7月23日に恒久的に停止されました。既存口座も8月26日以降は新規建玉ができず、9月23日に取引機能そのものが終了します。
このサイトはBitMEXの公式サイトですか
いいえ。bit-mex.asiaはBitMEXおよびHDR Global Trading Limitedとは一切関係のない、第三者による独立した情報サイトです。当サイトは取引サービスを提供せず、口座も開設せず、資産の預託も受け付けません。当サイトには広告(アフィリエイト)リンクが含まれます。

出典

数値はBitMEX公式サイトの公表値です。最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。